ボツリヌス治療は、過度に働いている顎の筋肉をリラックスさせることで、歯ぎしりや食いしばりを抑える効果があります。
その結果、歯のすり減りや欠けを防ぎ、被せ物や詰め物の破損リスクを減らすことができます。
顎関節症の原因のひとつである過剰な噛む力がやわらぐことで、顎の痛みや開閉時のカクつきも改善しやすくなります。

強い食いしばりや歯ぎしりは、顎だけでなく首や肩の筋肉にも負担を与えます。
ボツリヌス治療によって顎周りの緊張が取れると、肩こりや首のこり、慢性的な頭痛が軽減されることがあります。
仕事や日常生活で不快感が少なくなり、集中力の向上にもつながります。

咬筋が必要以上に発達すると、エラが張った印象になり顔が大きく見えやすくなります。
ボツリヌス治療で筋肉の働きを抑えることでフェイスラインが自然にすっきりし、小顔効果が期待できます。
また、ガミースマイル（歯ぐきが目立つ笑い方）の改善にも効果があるため、美容面でも満足度が高い治療です。

施術自体は短時間で完了し、麻酔もほとんど必要なく、治療後すぐに普段通りの生活が可能です。
腫れや痛みなどのダウンタイムも少ないため、仕事や家事、学業に影響が出にくく、忙しい方にも取り入れやすいのが特徴です。

注射後1〜2週間ほどで効果が現れ始め、その後3〜6か月ほど持続します。
長年にわたり多くの症例に使用されてきた治療法で、安全性が確立されている点も安心です。
繰り返し治療を行うことで戻りが少なくなり、安定した効果を維持しやすくなります。

ボツリヌス治療の効果は永続的ではなく、通常3〜6か月程度で薄れていきます。
そのため、症状を安定的に抑えたい場合は、定期的な治療を継続する必要があります。
1回の治療で十分と感じる方もいますが、効果を維持したい方には複数回の施術が推奨されます。

ボツリヌス治療は保険適用外の自由診療にあたるため、費用はすべて自己負担になります。
歯ぎしりや顎関節症といった症状改善を目的に行う場合でも、保険が効かないことがほとんどで、経済的な負担を考慮する必要があります。

注射部位に赤みや腫れ、内出血が見られることがあり、多くは数日で自然に消えますが、見た目に気をつかう方は注意が必要です。
また、治療直後は一時的に硬い食べ物が噛みにくくなる場合もあります。
まれに違和感やだるさを感じる方もいますが、時間の経過とともに落ち着いていきます。

妊娠中や授乳中の方、また神経や筋肉に関する特定の持病をお持ちの方は、治療を受けられない場合があります。
そのため、治療前には必ず医師に体調や既往歴を伝えることが大切です。

筋肉の強さや症状の程度によって、効果の現れ方や持続期間には個人差があります。
十分な改善を感じる方もいれば、効果が薄いと感じる場合もあるため、期待値を含めて事前に相談しておくことが大切です。